御手洗銀三のトイレコロジー
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No.32 | 名職人に追悼 |
十数年前の某月深夜。ある高速道路のサービスエリア(SA)のトイレで数名の作業員が忙しく動き回っていた。当時のSAのトイレといえば「臭い・汚い・恐い・暗い」の4Kトイレの見本のような環境で、当然、トラブルは日常茶飯事だった。このSAも詰まりと汚れで利用が困難となり、弊社にSOSが入ったわけだ。 |
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彼はどちらかというと口数の少ない寡黙な少年だったが、その後も仕事に対する姿勢は弛むことなく、立派な職人へと成長した。今では課長として大勢の部下に慕われ、「トイレ診断士」としてもその将来を嘱望される三十二歳だった。 |
『FRANJA』(フランジャ)31号掲載 2006年3月15日発行
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