御手洗銀三のトイレコロジー
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No.47 | 最高位のもてなし |
七月七日から三日間、北海道洞爺湖サミットが開催された。二〇〇〇年に沖縄で開催されて以来、八年ぶりの日本開催である。日本古来の七夕の日、年に一度の首脳国の代表者が集まるサミットの初日を迎えた会議のテーマは「環境・気候変動問題」だ。 織姫と彦星の七夕伝説は、天帝の娘で織姫、夏彦は働き者の牛飼い。二人は天帝の許可を得て結婚したが、夫婦生活が楽しく織姫は機を織らなくなり、夏彦も牛を追わなくなった。このため、天帝が怒り、娘を河東に帰して、一年に一度だけ会うことを許されたものだ。中国に始まったこの七夕伝説は、日本でも七夕祭りとして定着した。 今回の会議では長期目標として「温室効果ガス半減」をどう実現するかという最終決定が大事な議題であった。 ところで、今回のサミットには、G8以外の国や国際機問も数多く参加し、各国の政府関係者だけでも二千人を超え、報道関係者は四千人(外国人千人)もやってきた。 洞爺湖町で泊まれる洋室は、約四百室。隣の留寿都村に八百室。 多勢の外国人が北海道に大挙して来日したわけだから、警備、おもてなしと、地元の人たちの苦労がしのばれる。 G8の参加国でさえコミュニケーションに通訳が必要である。言葉も違えば文化も違う。生活に欠かすことのできない便所の名称も違う。アメリカ・英国・カナダはトイレット、ドイツはトアレッテ、ロシアはトゥアレート、フランスはトワレット、イタリアはバーニョなどとなってくる。 |
『FRANJA』(フランジャ)47号掲載 2008年9月15日発行
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